第210章 連絡取れない

「加島廷、やめて!」

 風見清子は顔を真っ赤にして、必死に名を呼んだ。手は慌てふためき、どう押し返せばいいのかも分からない。

 いつもなら落ち着いている眉間まで、焦りで赤く染まっている。

「加島廷!」

 男の指が、彼女の――そこへ伸びる。引きちぎられたら、もう終わりだ。

 今にも飛びかかる寸前の、獣の気配。

 一線を越えたら、何が起きるか想像すらしたくない。

 そして、獲物は風見清子だった。

 自分の置かれた状況は、痛いほど分かっている。

 男と女、ホテルの一室。体力も、圧も、加島廷が圧倒的だ。彼女は――捌かれるのを待つだけ。

「放して……触ったら、私……」

「好きなん...

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