第214章 諦めろ

「行かないで……私、あなたが好きなの……!」

葉山ゆうは背中にしがみつくように抱きつき、腰に頬を押し当てたまま、涙をぼろぼろとこぼした。

プライドなんていらない。欲しいのは、ただ彼だけ。

「……教えてくれ。いったい、どうした」

「私のこと、もう好きじゃないなんて信じない……信じないよ、寒生……!」

葉山ゆうは声を上げて泣いた。

嗚咽の一つ一つが、北条寒生の心臓を乱暴に引き裂いていく。

強張っていた男の顔色が、青白さから、どんよりとした灰色の白へと沈んでいった。

——だが、情けをかけるわけにはいかない。

手を上げ、腰に回された指を一本ずつ引きはがす。ここで徹底的に突き放さなけ...

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