第217章 理由を一つくれ

 シアホテル。

 年に一度、最大規模を誇るチャリティー・ガラ。A市の政財界の名士が一堂に会し、会場はまばゆいほど華やいでいた。ニュース番組で見慣れた顔が、そこかしこにいる。

 ふいに招待客の間にざわめきが走り、ひそひそ声が波紋のように広がる。

「北条社長と加島お嬢さんじゃない? どうして一緒に?」

「別れたんじゃなかった? 北条社長、メディアの前であそこまでやってたし、両家は縁が切れると思ってたのに」

「より戻したってこと?」

「そう見えるな。永遠の敵なんていない、あるのは永遠の利だけ。金と喧嘩するやつはいないよ。北条社長だって、北条グループの椅子を守るには計算するだろ」

「加...

ログインして続きを読む