第220章 手術同意書

北条寒生の長身が、その場に縫い留められたように動かない。

彼は彼女に背を向けたまま。落ち着いていて、どこか遠い。

すらりと伸びた体躯。葉山ゆうにとって、かつては安心そのものだった背中が、今は冷たく、残酷なほど無関心に見えた。

心が、底のない氷原へ沈んでいく。

寒生……。

けれど北条寒生は、ほんの一瞬――一秒にも満たないほどの間だけ立ち止まっただけで、すぐに車へ乗り込んだ。

葉山ゆうはその場に立ち尽くし、彼が去っていくのをただ見送るしかない。ひび割れていた心は、その瞬間、粉々に砕け散った。

ゆっくりとしゃがみ込み、膝を抱えたまま泣き出す。

……

白いベントレーが、マンションの...

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