第222章 元カレ

オフィス。

「加島社長、プロジェクトの進捗資料を……」葉山ゆうがファイルを手に取ろうとした瞬間、加島欧の細長い指がそっとその上に置かれた。

「僕は仕事の話をしに来たんじゃない」

穏やかな声色の奥に、抑えきれない心配が滲んでいる。

葉山ゆうは一拍置いてから言った。「私は大丈夫です」

――大丈夫なわけがない。たった数日で頬はこけ、顔色も冴えない。

「心配はもうかけません」葉山ゆうは顔を上げ、無理に笑ってみせた。

「……別れたのか?」

「うん。別れたっていうより、完全に諦めがついた、って感じ」わざと軽く言って、口元だけで笑う。

「ゆうちゃん……」

「何も言わないで。慰めはいらな...

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