第233章 婚約者

加島欧が答えた。

「加島グループのデザイナーだ。葉山ゆう」

「へえ、葉山さん……こんにちは。江口美月です。デザイナーならご存じですよね。A市最大の不動産会社、江口グループ。父が江口グループの社長なんです」江口美月は誇らしげに言った。

A市の名家の令嬢たちの顔ぶれなら、彼女は一通り把握している。葉山グループなど聞いたこともない。そもそもこの葉山ゆうは、服装から雰囲気まで、いわゆる「お嬢様」の匂いがまるでしない。どうせ普通の家の子だろう。

江口美月は自分のほうが格上だと確信し、背筋をさらに伸ばした。だが葉山ゆうは淡々と、「うん」とだけ返す。

……普通、ここは身の程を知って縮こまるところ...

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