第308章 彼は死んだ

北条寒生は、こんなくだらない話にいちいち付き合う気がなかった。――そもそも、どうして自分はこんな間抜けと友達になったんだ?

「落ち込むなって。女に捨てられても、兄弟がいるだろ。……いや、そういう意味じゃなくてさ。ほら、俺が話し相手になってやるってこと」

越前はへらへら笑いながら、煙草を一本抜いて差し出した。

北条寒生は目もくれない。

「彼女、俺が煙草吸うの嫌いなんだ」

「まだ結婚もしてねぇのに、もう管理されてんのかよ。結婚したらどうなるんだ? 骨の髄までしゃぶられるぞ。……いや、もうしゃぶられてるか」

「北条、正直さ。昔のお前、俺いちばん尊敬してたんだぜ。感情のない機械みたいで、...

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