第310章 まずは友達から始めよう

越前は一八〇センチを優に超える長身だ。葉山ゆうがぴょんぴょん跳ねても、スマホには手が届かない。焦ってわめき散らす。

「北条、ほら」

スマホが弧を描き、狙いすましたみたいに北条寒生の左手へすとんと収まった。

葉山ゆうは真っ赤になって取り返しに行くが、北条寒生はひょいと手を引く。

「返して」

「だめ。これは証拠として残す」北条寒生は状況を飲み込んだ目で、口元に笑みを浮かべた。

「だめ! 早く!」葉山ゆうは苛立ちを隠せない。「北条寒生、いい加減にしてよ」

「スマホは渡せないけど、俺なら丸ごと持っていっていいよ」くつくつと低く笑う。手の打ちようがない。

「……っ」

「北条、返してや...

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