第102章 これがあんたの言う愛なの

消毒液の匂いが鼻腔を刺した。

日向茜はゆっくりと目を開け、真っ白な天井にしばらく視線を留める。

右の前腕には分厚い包帯。麻酔は切れていて、傷口がずきずきと脈打った。痛みは肩の半分まで引きずり込み、まるで引き裂かれるみたいだ。

茜は顔を横に向け、窓の外を見る。

雨上がりの跨江大橋が夜の闇に横たわり、ネオンが川面に映って、風に煽られてばらばらに砕けていた。

――ここはA市。

結局、連れ戻されたのだ。

茜は視線を戻し、ベッドの縁に突っ伏している男を見た。

真田修一は黒いシェルジャケットのまま。裾はひどく皺だらけで、いつもきっちり整えている短髪も前髪が乱れて落ちている。目の下には濃い...

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