第105章 あの子は元々日向茜のものだった

真田修一は病床の脇に無表情で立ち、手にしたリモコンを握り潰さんばかりに力を込めていた。ぎり、と嫌な軋みが鳴る。

「林田知代は太郎の実母じゃない」

日向茜が、一語一語を噛みしめるように繰り返す。

「……じゃあ、太郎の母親は誰なの?」

「さっきの男の言葉を鵜呑みにするな」

真田修一はリモコンを置き、また氷みたいな顔に戻った。

「『ネズミ』の人間だ。訓練を受けてる。目を覚ました直後にわざとああいう爆弾を投げたのは、混乱を起こすためだろう」

日向茜が鼻で笑う。

「嘘をつくとき、相変わらず顔が醜い」

真田修一の目が沈む。

「お前……!」

日向茜は身体こそ弱っているのに、思考だけは...

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