第14章 おかけになった電話は電源が入っていません

翌朝早く、真田家の別荘。

真田修一が戻ったとき、空はまだ白みはじめたばかりだった。病院で半夜以上付き添い、太郎の拒絶反応はようやくひとまず抑え込まれた。林田知代は一晩中泣き続け、彼は一晩中それを宥めていた。

帰宅して真っ先にしたのは、いつもの癖で主寝室のドアを押すことだった。

中は、空っぽだった。

掛け布団は捲れたまま。枕には浅い窪みがひとつ。シーツはひどく乱れている。ベッドサイドの灰青色のネクタイはくしゃりと丸まり、乾いた涙の跡が残っていた。

それ以外には、何もない。

真田修一はそのままウォークインクローゼットへ入った。

服の大半は元の位置にある。彼が買い与えたオートクチュー...

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