第21章 命は命を

そう言い捨てると、日向茜は振り返りもせず門を押し開け、夜の闇へ溶けていった。

風が強い。

コートの襟をきつく掻き合わせると、胃の奥がまたじくじく疼いた。抗がん剤の副作用に、感情の荒波が重なって、足を一歩出すたび身体が鉛みたいに重い。

装飾の施された鉄門を出て、タクシーを拾おうとした、その瞬間。

ばっと白い光が差し込み、眩しさに目が潰れそうになる。

黒いマイバッハが、日向邸の門前で静かに停まった。

ドアが開く。真田修一が降り、反対側へ回り込むと、後部座席の扉を開けた。

林田知代が、ぐるぐるに包まれた子どもを抱いて出てくる。彼女は修一の肩に寄り添い、顔を上げて笑いながら何かを囁いた...

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