第24章 二年分の結婚生活

日向茜はベッドサイドのチェストを端から端までひっくり返し、クローゼット下段の隠し棚まで開けた。挙げ句の果てには床に腹這いになって、ベッドの下を手で探る。

――ない。

手のひらサイズの、硬い表紙の手帳が。まるで蒸発したみたいに消えていた。

「この引き出しで間違いないの?」

寺内安がしゃがみ込み、一緒になって中を探る。

「100%」

日向茜の声は小さい。けれど言い切る調子だけは揺れなかった。

わざわざこの引き出しを選んだ。リップクリームと、使いかけのティッシュを底に敷いて、その上にいつも戻していた。普段この部屋に入る人間はいない。太田さんの掃除だって、拭くのは天板だけで、引き出しま...

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