第31章 愛も憎しみも捨てられない

真田修一は、さっき彼女が口にした言葉をゆっくり噛みしめた。喉の奥で、ふっと冷えた笑いが漏れる。

「お前をじわじわ痛めつけるほうが、ただ殺すより面白いからだ」

離婚届を見た瞬間、自分の中で何かがひやりと崩れたことなど、認めるはずがない。

相澤永知に手を握られていた彼女を見て、理性ごと焼き切れそうな嫉妬に呑まれたことも。

真田修一は、昔からそうだ。

制御を失いかけるほど、なおさら相手を支配しようとする。

「私たちの間には、恨みがある」

日向茜の声は掠れていた。ひどく遅い口調で、それでも一言ずつ、刃のように研がれている。

「あなたは、うちの母が自分の母親を死なせたって決めつけてる。...

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