第35章 私が生きている限り、あんたの思い通りにはさせない

針先はすでに皮膚を破っていた。白い首筋を、真紅の血の粒がつうっと伝い落ちる。

真田修一は、日向茜の頸動脈に突きつけられた留置針をじっと見据えたまま、退くどころか半歩、前へ詰めた。

「刺してみろ。10分後には仁愛病院で、おまえの母親につながってる機械を全部止めさせる」

日向茜の瞳孔が、はっと縮む。

その一瞬の綻びを、真田修一は逃さなかった。

躊躇なく手を伸ばし、彼女の手首を掴むと、そのまま強く捻り上げる。

「っ――」

痛みに力が抜け、日向茜の手首から抵抗がこぼれ落ちる。反射的にもがいた、その拍子だった。

混乱の中、鋭い金属の針先が狙いを外し、まっすぐ真田修一の左腕へ突き刺さった...

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