第36章 俺の支配から逃れられるなど妄想するな

差出人――真田修一。

『蘭川一号の入館権限は開けておいた。東郊の範囲内なら、お前は自由に動いていい。だが、これ以上俺の底線を試すな』

『相澤永知には近づくな。この先一生、俺の支配から逃れられるなんて思うな』

文面の端々ににじむのは、見下したような施しと、隠そうともしない脅しだった。

日向茜は画面を見つめ、指先をすべらせると、そのメッセージをそのまま削除した。

それからスマホを伏せて、ベッドサイドの棚に置く。

返信はしない。

手首の傷が、ずき、ずきと鋭く疼いた。

茜は分厚い包帯に巻かれた左手首へ視線を落とす。顔色はないのに、表情だけは妙に静かだった。

真田修一は、彼女にほんの...

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