第41章 自ら彼女に「規則」を教える

日向茜がクラフト紙の封筒を抱えたまま背を向け、エレベーターへ乗り込むまで――相澤永知はその場から一歩も動けなかった。まるで、まだ現実に追いつけていないみたいに。

ねじって開けたミネラルウォーターを二口、喉へ流し込んだところで、ポケットのスマホが震えた。表示は「父」。

相澤永知は通話を取る。

「永知、出張から戻ったのか?」

続けざまに、切り出してくる声。

「院内の人事異動案は俺がもうまとめた。消化器内科と心臓外科、両方の部長席はお前のために空けてある。戻ったらすぐ相澤家へ戻れ。うちの病院の「盤」は、お前が引き継がなきゃ回らん」

相澤永知は淡々と答えた。

「いま進行中のプロジェクト...

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