第46章 彼女を捕まえられなくなった

看護師はクリップボードの記録をぱらぱらとめくり、首を振った。

「救急で調べたのは血算と心電図、それから血糖くらいですね。ほかに異常は見当たりませんでした。心臓が一時的に不安定になったのは、たぶん息が上がったせいでしょう。器質的な問題ではないと思います。少し休めば大丈夫ですよ。あなたくらいの年なら、身体の土台もしっかりしてます。変に考えすぎないで」

表情は自然で、何かを隠しているようには見えなかった。

日向茜は枕に身体を預け、むしろ安堵の息を吐く。

自分の病気は――自分だけが隠しているわけじゃない。

誰かが、手を回してまで隠してくれている。

誰が。なぜ。

答えを探す気力は、もう残...

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