第48章 やけっぱち

沈黙は、まだ終わらない。

「黙ってるの?」真田修一は指先で日向茜の顎をつまみ、無理やり顔を上げさせた。「ここで餓死でもするつもりか。お前の母親はICUでかろうじて息してるってのに、お前は自殺の真似事を覚えたか」

日向茜のひび割れた唇がかすかに動く。

だが、声にはならない。

彼女はゆっくりと目を閉じた。

その、まるで解体を待つみたいな無抵抗が、真田修一の胸の奥に、言葉にしがたい感情を生む。

強いて言うなら、ほんの僅かな「痛み」だった。

けれど次の瞬間――三年前、血まみれの母が血溜まりに倒れていた光景が、前触れもなく脳裏に閃いた。

憎しみと、正体のわからない焦りが絡みつき、彼を乱...

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