第64章 窮地に生きる道を見いだす

一通りやり取りして、日向茜はようやく状況を飲み込んだ。呆れが増すばかりだ。

病気を治して子どもを返せば、それで全部終わりだとでも思っているのか。都合が良すぎる。これは真田修一の子だ。

握手して和解する気があるなら、そもそも真田修一じゃない。

日向茜は太郎を抱き直し、襁褓をきつく巻いて、ハッチの隙間から漏れ込む冷たい風を遮った。

「骨髄をいきなり抜くつもり? この子、先天性心疾患があるうえに、いま重い拒絶反応の真っ最中だって分かってる?」

「この身体機能で通常の麻酔を入れたら、3分以内に心室細動。抜く暇すらないわ」

佐伯泉が鼻で笑う。

「舐めんなよ。島の医療レベルなら拒絶反応の処...

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