第77章 呼べばすぐ来る

十分前――。

周防哲はベッドボードにもたれ、スマホの発信ボタンの上で指を止めたまま、なかなか押せずにいた。

あの誕生日パーティーの日、誰かに言われたのだ。真田修一は独占欲が異常に強い、と。

そのときは大げさだと思った。だが後からそれとなく情報を拾っていくうちに、日向茜が置かれている状況が、想像以上に厄介だと遅れて理解した。

茜はいま、真田修一に脅され、どこかに囲われている。周防哲にはそれがはっきり分かる。

そこは必ず、監視と目が張り巡らされているはずだ。迂闊に電話を入れれば、彼女に余計な火の粉が飛ぶ。

周防哲はSMS画面を開き、探るような一行を打ち込む。送信。

――南苑・主寝室...

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