第81章 事故かそれとも殺人か

相澤永知は日向茜の肩を抱き寄せ、半ば強引に身体の向きを変えさせると、混乱する交差点から足早に連れ出した。

二人は通りを二つ抜け、ひっそりとした地下駐車場へ辿り着く。

相澤永知は黒いSUVの助手席ドアを開け、日向茜を押し込むように座らせた。続いて運転席へ回り込み、ドアを閉める。

車内は、息をする音さえ消えた。

日向茜はシートに背を預け、目を閉じて乱れた呼吸を整える。しばらくして目を開き、隣の男へ顔を向けた。

相澤永知は痩せていた。

いつも玉のように穏やかで、意気軒昂だった外科のエースは、今や目の下が落ち込み、顎には青い無精髭が浮いている。

連絡が途絶えて、もう半月以上。

消えた...

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