第9章 あんたを殺す

「何しに来たの?」

日向茜はぐっと踏み込み、林田知代を容赦なく壁際まで追い詰めた。逃げ場は、もうない。

「私たちがちゃんと死に切ったか、確かめに来たの?」

声は低い。金切り声ひとつ上げない。ただ、骨の隙間まで凍らせるような冷たさだけがあった。

林田知代も、もう取り繕わなかった。壁にもたれたまま、できたてのネイルをいじっている。

「そんなにカリカリしないでよ」

「どうせ昔なじみなんだし。通りがかりに寄っただけ。7桁もかかるICUの病室ってどんなもんか、ちょっと見たくてさ。ほんと、金の無駄よねえ。そんな金あるなら、バッグでも何個か買ったほうがマシじゃない?」

そう言って顔を上げた目...

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