第90章 修羅場

真田グループ本社ビル最上階、社長室。

プロジェクターのスクリーンが何者かに乗っ取られ、揺れる生配信の映像が壁一面を埋め尽くしていた。

廃船の船倉。

斑に浮いた赤錆が舱壁を覆い、薄暗い光の中で波が船体をどん、どん、と叩く。鈍い響きだけが、静寂の空間に反響していた。

バンッ!

紫檀のローテーブルが真田修一の一蹴りでひっくり返る。高級な茶器が床に砕け散り、茶が飛沫になって四方へ散った。

「これが、お前の言う万全か?!」

大股で詰め寄り、杉山遠のネクタイを鷲掴みにする。手の甲に青筋が浮き上がった。

「何十人もいて、病人ひとり見張れねえのか。お前ら全員、死人か!」

杉山遠は喉を締め上...

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