第94章 仇敵を養い、彼女を姿を現させる

強襲揚陸艦、その最上層のフライトデッキ。

真田修一は、遮るもののない舷側の縁に立ち、風を真正面から受けていた。薄いシャツは外洋の氷水でぐっしょり濡れ、胸と腹の硬い筋肉に貼りつきながら、雫をぽたぽた落としている。

ボディガードに無理やり海面から引き上げられて以来、彼はそこに縫い留められたように、半歩も動かない。

突入班の暗号化インカムでは、ソナーのスキャンが返す反響音が、空白の周波数帯を何度もなぞっていた。生体反応の検知は、終始ゼロ。

真田修一はそれに気づいていないかのようだった。焦りを見せることもない。ただ視線だけを下の海域に釘づけにし、水中ソナーブイが巻き起こす白い激流を見つめ続け...

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