第9章

法廷であの日、ついに正義が果たされてから数ヶ月が経っていた。そして今日という日は、あまりにも長く続いた悪夢に、公式な終止符が打たれるように感じられた。

林田知事が、温かい笑みを浮かべて私たちに近づいてきた。その手には、装飾の施された証明書が握られている。

ホールは記者や支援者、さらには何時間もかけてここまで来てくれた火災被害者の遺族の方々で埋め尽くされていた。光くんが車椅子から私の手を握りしめる――彼は日に日に力強くなっているが、完治までの道のりはまだ長い。

「三浦梨沙さん」知事の声が、県庁の記者会見場に響き渡った。「星川県の行政を預かる者として、県警による捜査過程で生じた過ちに...

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