第100章トラスト

――ダックス――

彼女の目は大きく見開かれ、小さな口は完璧な丸い形に開いた。やがて彼女は彼の腕の中から身を引き、自分の顔を両手で確かめた。視線を自分の身体へ落とし、脇腹から腕へと指先をゆっくり滑らせていく。

「ダックス……?」

見上げて問いかける彼女を見つめながら、彼はその瞳の奥で金色が渦巻くのを見た。狼が彼女に語りかけているのだと分かる。次の瞬間、その顔は畏敬に染まり、涙があふれて濃いまつげを越えてこぼれ落ちた。

彼女は下唇を軽く噛み、短くそれを含んでから目を閉じ、自分の狼へささやいた。

「ありがとう」

ようやく彼女が、自分たちがずっとそうしてきたように、自分自身の美しさを認めて...

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