第107章自由

ダックスの手は温かく、城へ戻る道すがら、彼はベアの小さな手をきつく握りしめていた。

ベアの意識は内側へ沈み、自分の周囲に何が感じ取れるのかに集中していた。動物たちや植物の生命が、途方もない情報を彼女へ流し込んでくるせいで、体から切り離されたような心地になる。

その気になって、ただひたすら研ぎ澄ませば、周囲の気配があまりにも鮮明に掴めてしまい、目を閉じると色彩の投影となって浮かび上がりはじめるほどだった。

そんな感覚の渦に迷い込みかけていたとき、ダックスが小道の真ん中で足を止めて言った。

「そう思わないか、ベア?」

自分の名を現実の音として聞かされた瞬間、彼女は自分の内側から乱暴に引き...

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