第120章ルナ・ウォーデンズ

―エイサ―

翌朝、彼女は二人の寝台で目を覚ました。隣は空っぽで、昨夜の抱擁の余韻が思考を占めていた。

感情と怒りに呑まれ、内なる狼が無理やり表へ出ようとするダックスの姿は、エンバーの心を深く揺さぶった。自制を保つのが難しかった。彼の顔に尻を押しつけて、滅茶苦茶にしてくれと懇願したい衝動に駆られた。

人間としての理性は、あれほど自分を傷つけた相手のことを口にしながら、性的なものを感じるべきではないと知っていた。だが、エンバーは構わなかった。守り、仇を討とうとするダックスの狼を目の当たりにした瞬間、予想もしなかったものが体の奥で弾けたのだ。何年も感じてこなかった原始的な信頼が掻き立てられた―...

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