第31章不在は心をつくる...

――ダックス――

彼は昨夜、前日の疲れがたたって早々に眠りに落ちていた。あまりにもくたくただったせいで、昨夜ベアが戻ってきたときでさえ、目を覚まさなかったほどだ。

夜明け前に目を覚ますと、彼はベアが毎日開けたがっていたカーテンを開いた。彼女が来てから、自分がどれほど変わったかを思い、思わず微笑む。彼女が世話を始めてから、まだ二か月にも満たない。だが、そのあいだに回復は驚くほど進み、そのぶん彼女への思いもいっそう強くなっていた。

ベッドに身を横たえ直し、空を流れてゆく雲を見つめる。夢の記憶がよみがえり、胸の奥で彼の狼が低く唸った。なぜ彼女がここまで自分の狼を刺激するのか、彼にはわからない。...

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