第53章ルナの前のデニー

――ベア――

彼女はその手紙をさらに二度読み返してから、胸に抱き寄せ、そっと目を閉じた。

パパ……。まつげから雨のように涙がこぼれ落ち、もう嗚咽を抑えることはできなかった。彼女はあまりにも多くのものをくぐり抜けてきた。そしてここ最近は、終わりの見えない嵐が容赦なく傷と痛みを投げつけてくるように感じられていた。

耐えられる。いつだって耐えてきた。けれど……この手紙は、痛みをせき止めていた水門を開く鍵のようだった。あふれ返るそれを、彼女はもう止められなかった。

ダックスは彼女を引き寄せ、頭を自分の胸に抱き込んだ。彼女がそこで泣き、叫ぶままにさせてくれる。彼女はすべてを吐き出した。この場所に...

ログインして続きを読む