第54章アルファの命令

――ベア――

彼女は、ギーに連れられて廊下を進んだ。だが、自分がどこへ連れて行かれているのか、ほとんど目に入っていなかった。意識はなおも、自分の内側の深いところに沈んでいた。

彼女は、すべての事実をあるべき場所に収めようとしていた。ずっと昔、まだ幼かったころ、彼女は自分の心の中に図書館を築いた。何もかもに決まった置き場があり、出来事をきちんと整理できさえすれば、それぞれをふさわしい本に収め、棚へ戻すことができた。

そうすれば、まだ向き合う準備のできていない出来事と無理に対峙しなくてすむ。そして、振り分けながらでも、その最中をどうにかやり過ごすことができるのだ。

この三か月のあいだに起き...

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