第60章機能する祭壇

――ランディス――

驚いて、ランディスは狭い小屋の中にぐるりと視線を走らせた。だが、ほかに誰かがいる気配はない。それでも、男の声が自分の周りで反響したのを、たしかに聞いた。

恐慌が胸を満たし、彼はくるりと少女のほうへ向き直った。床板に血を吐き出していくにつれ、彼女の肌はすでに灰色へ変わりつつあった。恐慌は衝撃に取って代わり、彼はただ立ち尽くすしかない。血がじわじわと近づいてくるのを、呆然と見つめた。

(何が起きた……?)まだ体が動かない。温かい血が足元をすべり、彼の脇を通り過ぎていった。(誰がやった?)床を流れていく様子にはどこか妙なところがあるのに、それが何なのかが掴めない。

やがて...

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