第66章スノーフレークの生涯

 ――ベア――

 ベアは勢いよく立ち上がった。「どうして!? どうして閉じ込めたうえに、わたしの狼に鎖をかけて、彼女をわたしから遠ざけるのですか!?」

 ベアは、女神への敬意ゆえに、こみ上げる怒りをずっと押し殺してきた。愛し、崇めている存在に、憤りや苛立ちを見せるのは不敬だと感じていたからだ。だからこそ、これまで女神に向けて狼が見せてきた反応には、彼女自身ひどく衝撃を受けていた。

 以前、狼が女神を好かないと無礼な口をきいたとき、ベアは女神が怒るものと思っていた。だが、そうはならなかった。

 今もまた、以前と同じように、女神はベアの激しい言葉に少しも動じた様子を見せなかった。腹を立てる...

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