第76章断続的な権力闘争

――ダックス――

「何が望みだ?」その声は甲高く、警戒に満ちていた。次に何が起こるのか見通せない、不安のにじむ響きだった。

「ダックス、アルファ・レオの追放された王子で間違いないか?」聞き覚えのない声が返ってきた。

「そうだ」

アルファの気を放ってこの場の主導権を取り戻すこともできた。だが、そうすれば己の狼に再び身体の支配を奪い返されるおそれがある。それほどの危険を冒す価値はなかった。喉元に刃を当てている相手が誰であれ、出し抜くことはできるはずだと感じていた。

「ダックス本人か、それともダックスの狼か?」

それは興味深い問いだった。こんな状況でそんなことを尋ねる発想を持つ者がいるの...

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