第90章難しい真実

――ベア――

その日も、ほとんど一日じゅう庭で過ごした。母とカオルの母ジーナは台所で夕食とお茶の支度をしていて、ベアはふたりの軽やかな笑い声に耳を傾けながら、そっと微笑んだ。

けれど、今朝から感じていたあの幻のような感覚は、弱まるどころかますます強くなっていた。意識して無視しようとすればするほど、それははっきりと身の内に広がっていく。まるで身体そのものが、ここを離れ、番を探しに行けと訴えているようだった。

昼食のために家へ戻るころには、ベアはもう決めていた。明日の朝には発って、ダックスのもとへ戻る道につこう、と。彼が恋しくてたまらなかったし、この幻の感覚はただひたすら、彼と一緒にいれば手...

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