第8章

高橋愛実視点

三日間。

翔が例の病室から出て行ってから、三日間も経っていた。彼は家に帰ってこないし、電話もない。坂口さんをよこして美奈子さんの様子を確かめさせることすらなかった。彼がまだ怒り心頭なのは分かっていた。ええ、私が彼を完全に裏切ったと感じていることも。

でも、このまま諦めるわけにはいかなかった。

ありがたいことに、律の状況はもう安定していた。警察が山本香蓮を連行した後、すべてが明るみに出た――彼女は本当に美奈子さんの医療保険金を盗んでいたこと、律はずっとそのことを調査していたこと、そして私? 私は、本当は何が起こっていたのかなんて、これっぽっちも知らなかったただの駒...

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