第10章 あなたは偽物だ

「小林茉由――俺が信じると思うか?」

小林茉由の瞳がきゅっと縮む。反射的に一歩、後ずさった。

「何を言ってるんですか。私は小林莉緒です」

「へえ、そうかよ」葉山墨也は鼻で笑う。信じる気配など欠片もない。

小林茉由は深く息を吸い、手元の書類を差し出した。

「これ、私の履歴書です。以前、副社長面接を受けたのは私です。ご存じないかもしれませんが、私はAEとして活動してきました。何年も前から海外にいましたし、『小林茉由』という名前は石原友里から聞いたことがあるだけで、本人は知りません。葉山社長がその名前でいつまでも私を煩わせるなら、この仕事を続ける意味はありません」

言い切ってから、よう...

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