第12章 脅威

鑑定機関。桐谷辰哉は封筒のようなものを手に、受付へと足早に入っていった。

「至急でお願いします。結果はいつ出ますか?」

その様子を、近くで商談をしていた牧野匠海が偶然目に留めた。

匠海はわずかに目を細め、秘書へ低く指示する。

「……桐谷辰哉が、なんでここにいる。確認してこい」

牧野将明の病気の件もあり、牧野家は各種医療機関と少なからず繋がりがある。秘書はすぐに事情を聞き出して戻ってきた。

「親子鑑定を依頼してます。しかも至急で」

報告しながら、秘書自身も首を傾げる。

「桐谷辰哉に子どもがいるって話、聞いたことがありませんが……どうして親子鑑定なんて」

牧野匠海は眉を寄せた。...

ログインして続きを読む