第129章 色仕掛け

ドアがいきなり押し開けられた。小林結衣が振り返り、入ってきたのが小林茉由だと分かった瞬間、さっと顔色が失せる。慌てて視線を落とし、か細い声で呼んだ。

「茉由……」

「わざわざ呼び出して、見せたかったのはこれ?」

小林茉由は葉山墨也を一瞥し、口元を冷たく吊り上げる。

「葉山社長って、最近ずいぶんお暇なのね」

「まだ妬いてるのか?」

葉山墨也が唇の端を上げた。

結衣は完全に取り乱した。

「ま、茉由、さっきのは……ただの言い過ぎで、子どものことだって、私はおばあちゃんから聞いたっていうか……葉山さん、茉由に説明してください」

「裕斗と祐奈は、俺の子だ」

葉山墨也は氷みたいな目で...

ログインして続きを読む