第171章 冷淡

そのとき、彼女のスマホが不意に鳴った。小林多江からの着信だ。

「茉由、爽太が大変なの! 葉山社長にお願いしてきて。葉山社長がいれば、あの子は絶対に出してもらえるから!」

頼みごとのはずなのに、口ぶりは命令そのもの。小林多江は最初から最後まで、自分の立場というものを一度も弁えない。

小林茉由はくすりと笑った。

「この前まで小林グループを奪おうとしてたのに、今さら私に助けを求めるんですか? 私の会社を取りに来た人を、私が助けると思います?」

「何言ってるの。爽太はあなたの従弟よ? そんなに冷たいの、血の情もないわけ?」

助けないと分かった途端、小林多江の声は露骨に荒くなった。こんなと...

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