第18章 ママのためにパパを取り戻す

T市グランドホテルの最上階。支配人自らが席へやって来て、葉山墨也にメニューを差し出した。

葉山はそれを受け取ると、二人の子どもに渡す。

「好きなの頼め。遠慮はいらない」

小林裕斗と小林祐奈はメニューに目を落とした途端、そろって息をのむ。値段が、冗談みたいに高い。

二人のためらいを見て取った葉山が、さらりと言った。

「気にするな。俺は大物社長だ」

社長が冗談を口にしたこと自体が衝撃だったのか、桐谷辰哉はまたしても幽霊でも見たような顔になる。

――今日の葉山社長、絶対どこかおかしい。

祐奈はそんな空気などお構いなしに、指先でぱらぱらとページをめくり、写真がいちばん綺麗なものをいく...

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