第181章 小林雪乃の惨状

父の表情を見た瞬間、小林茉由の瞳に罪悪感がよぎった。

「お父さん、ごめんなさい。こんな時に、私……」

「お前は間違ってない」

小林邦彦は手を伸ばし、茉由の頭をそっと撫でる。

「悪いのは全部、父さんだ。小林千代のあの偽善の顔を見抜けなかった。あいつら母娘に、何年もお前を苦しめさせた……全部、父さんの責任だ」

言い終えると、彼は自嘲するように小さく笑い、背を向けて歩き出した。

黙って遠ざかる背中を見送るうち、茉由の目も赤くなっていく。胸に溜め込んできた父への恨みが、この瞬間だけは、すっと薄れていく気がした。

そして、ふと気づく。

父はもう若くない。髪には白いものが混じり、背中もい...

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