第182章 気位の高さ

同日、メディアは小林芳子自殺事件の真犯人を我先にと報じた。記者たちは、小林千代がどうやって小林芳子を死に追いやり、さらにどう小林茉由に罪をなすりつけたのかを、事細かに解説している。

だが、その裏にあるもっとドぎつい「小林家の恥」――小林千代が義兄と関係を持っていた件については、どの媒体も一切触れなかった。釘を刺されたのだろう。誰もが口をつぐみ、文字通り一字たりとも書かなかった。

トレンドを眺めた小林茉由は、すぐに察した。これをやったのは葉山墨也だ。

彼女はわざわざ葉山墨也のオフィスまで足を運び、頭を下げる。

「……ありがとう。うちの恥まで、世間に晒さずに済ませてくれて」

殺人事件の...

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