第197章 覇気ある一撃

夜十時を回っても、佐藤梨絵が戻ってこない。小林茉由は首をかしげた。――こんな時間なのに、どうしてまだ来ないんだろう。

さっきまで自分が、佐藤梨絵に夜食をごちそうになっていたことを思い出す。茉由は外へ探しに出ることにした。

階段室を出た瞬間、ひそひそ声が耳に刺さった。

「佐藤梨絵って、ほんっと肝っ玉ちっちゃいよね」

「運が悪かったんだよ。植田雨音に目ぇつけられたんだから。ま、うちらには関係ないけど」

茉由はその二人の前に手を伸ばし、行く手を遮った。

「佐藤梨絵はどこ?」

女子二人はびくっと肩を跳ねさせた。小林茉由を、疫病神でも見るみたいな目で見て、露骨に怯える。

「わ、私たちも...

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