第20章 小林雪乃は慌てた

小林千代は腹に据えかね、すぐさまその件を小林雪乃に告げ口した。話を聞いた雪乃は焦りと怒りで顔をこわばらせ、その足で小林茉由のオフィスへ乗り込む。

「ほんっと、やることが汚いわね。ついこの前まで『子どもに墨也を認めさせない』って言ってたくせに、今日はもう二人を行かせて墨也にまとわりつかせてるじゃない!」

茉由は書類を閉じ、冷えた目を向けた。

「……何の話?」

雪乃は噛みつくように言い返す。

「とぼけないで! うちの母が見たのよ。墨也が、あんたの子ども二人を連れてT市グランドホテルで食事してたって!」

茉由の眉がぴくりと動く。

「『あたしの子ども』って何? あなたのお母さんが葉山墨...

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