第21章 わけのわからない葉山墨也

小林茉由は彼女の頭をそっと撫でた。するとそのタイミングでスマホが鳴る。茉由は席を外して廊下へ出て、通話に出た。石原友里の妹、石原百花からの着信だ。

「こんな遅い時間に、どうしたの?」

ところが返ってきたのは、百花の声ではなく男の声だった。

「小林さんでいらっしゃいますか。石原さんのお知り合いの方で……事故を起こされまして――」

その向こうで、石原百花の情けない声がかぶさる。

「茉由さん……お願い。お姉ちゃんには言わないで……」

小林茉由はすぐさま現場へ駆けつけた。百花は彼女の姿を見た瞬間、救いの神でも見つけたみたいに飛びついてくる。

「茉由さん! やっと来てくれた! お姉ちゃん...

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