第27章 ひ孫の顔が見たい

葉山墨也は一拍置いてから、ようやく言葉を返した。

「……ご存じでしょう。俺、この五年、身の回りにほかの女はいません」

「そんな話はいい」

電話の向こうで、葉山弘義の声が苛立って跳ねた。

「お前のそばにいる小林雪乃って女、さっさと替えろ。あの女を見るだけで虫唾が走る」

そう言われた瞬間、弘義の脳裏に、ここ数年ずっと孫の傍にいた顔が浮かび、腹の底から怒りがこみ上げた。

「爺さん、その件は口出ししないでくれって言っただろ」

墨也はこめかみを押さえ、眉間を揉む。

「子供……」

脇に控えていた執事が、端末の画面に映る子どもの写真を指でちょん、と示し、小声で「話が逸れております」とでも...

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