第36章 新たな構図

「住所は」

葉山墨也がエンジンをかけた。

「Y区の入口までで」

当然、家の前まで送らせるわけにはいかない。家には小林裕斗がいるのだから。

葉山墨也が眉をひそめる。そこは――小林裕斗が住んでいる別荘エリアじゃないか。

結局、彼は車をゲート前に停めた。小林茉由が降りても、車は発進しない。葉山墨也はルームミラー越しに、彼女の背中を追っていた。

小林茉由は敷地内へ入り、家のほうへ向かう途中で、背中に刺さる視線に気づく。けれど足を止めず、そのまま歩き続けた。

葉山墨也は、彼女が例の別荘へ入っていかないのを見て、さらに眉を寄せる。

――考えすぎか? ただ同じ別荘区に住んでいるだけ……?

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