第46章 それぞれの思惑

「この件は説明するとちょっとややこしい。俺と小林雪乃は、お前が思ってるような関係じゃないんだ」

葉山墨也は小林裕斗の頭をくしゃりと撫でた。

「そのうち機会があったら、ちゃんと話す」

小林裕斗は意外そうに目を丸くする。まさかパパが、わざわざ説明してくれるなんて。……ふん。じゃあ聞いてやるよ。パパが何を言うのか、見ものだ。

食事を終えると、葉山墨也は二人を撮影現場まで送り届けた。小林裕斗が中へ入っていったあと、葉山墨也は手のひらに残った一本の髪を、背後の桐谷辰哉へ差し出す。

「桐谷辰哉。病院へ行ってこい」

胸の奥にある仮説を、確かめる必要があった。

――そのとき彼は気づいていない。...

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